イルクーツはバイカル湖南端に位置し、アンガラ川とイルクート川の合流点にあり、イルクーツク州の州都でもあります。 市街地はアンガラ川、イルクート川、ウシャコフカ川によって4つに分かれています。
イルクーツク市は、「イルクートの町」という意味であり、1652年にコサックの探検隊によって要塞が建設された後、中国、モンゴルに向かうロシアの対象の中継地点の役割を負い、シベリアの奥地、また極東地区の探検の拠点としての機能を果たしていました。
1686年に市制が敷かれてからは、豊富な天然資源を有するシベリアの開発の中心部として発展しました。
18世紀のデカブリストと呼ばれる青年将校の流刑地となり、彼らが当時の首都であったサンクト・ペテルブルグから持ち込んだ文化、芸術は、イルクーツクに多大なる影響を与えました。
サンクト・ペテルブルグを模した華やかの石造の建物や、最先端の技術、芸術などがイルクーツクに根を下ろしました。
また、教育施設も充実したものとなり、日本人漂流民が教鞭をとる日本語学校も18世紀半ばに造られました。
現在のイルクーツクにも当時の町並み、歴史的な建造物が多く残り、ロシア伝統の木彫りの窓枠で飾られた木造の建物も多く残っており、美しい景観を残しています。
今日のイルクーツクは、鉱物資源の開発が進む北シベリア、発展が著しい中国やモンゴル、そして日本との関係がますます緊密となっている極東ロシアを、モスクワ、さらにヨーロッパと結ぶ交通の要衝となっています。現在イルクーツク市は67万人の人口を抱える都市へと発展し、機械製作、製材、家具、食品、建設など7 0種の主要産業が発達しているシベリア最大の工業都市へと成長を遂げています。
そのうち、最も大きな割合を占める産業は、火力・水力発電、自動車産業、冶金産業、航空産業、木材産業、建築資材産業です。 また、世界的に有名な毛皮産業は、黒テンの毛皮などを世界市場に供給しています。
イルクーツクは、東シベリアで最初に創立されたイルクーツク国立大学をはじめ、科学アカデミー・シベリア支部第2科学センター、バイカル湖沼学研究所などを有する一大学術都市であり、学生が占める割合は10パーセントに上ります。
また、市民の文化・芸術活動も盛んで、劇場、映画館、図書館等の施設も充実しています。
イルクーツクには19世紀に建造された木造建築の住居、教会等の建造物が多く現存しており、1997年には世界遺産保護基金のリストに加えられ、「シベリアのパリ」とも形容されています。イルクーツクには685もの歴史的記念物が現存しており、うち108は国定記念物に指定されています。
とくに興味深いものとして、アムールスカヤ通りに隣接するキーロフ公園の周囲は、イルクーツク市の最も古い地区であり、スパスカヤ教会、ボゴヤブレニエ寺院、アレクサンドル3世像、郷土史博物館(かつてのロシア地理協会シベリア支部)などの歴史的建造物があります。
その他、イルクーツクにおいて最も文化的、かつ歴史的に重要な意味を持つ「デカブリストの家博物館(「ヴォルコンスキーの家博物館」、「トゥルベツコイの家博物館」)
があります。」
バイカル湖博物館 |
キーロフ広場 1908年から1年間この地で過ごした革命家キーロフを記念して名付けられた公園です。 イルクーツク州政府、教会、言語大学などの建物に囲まれ、広場の中心には美しい噴水がある市民憩いの場所です。昔よりイルクーツクの中心であり、市内で最も古い地域でもあります。周辺ではスパスカヤ教会、ボゴヤブレーニエ寺院があります。昔は近くにクレムリン(要塞)があったため「クレムリン広場」と呼ばれていました。冬にはクリスマスツリーで飾られ、様々な氷像に彩られます。 |
バガヤヴリェーンスキー聖堂 |
イルクーツク郷土博物館 |
スパスカヤ教会 |
イルクーツクの観光スポット130地区 |